
はじめに|「乾燥」は個人の不快感ではなく、職場の損失
オフィスの乾燥は「喉が渇く」「肌が荒れる」といった個人の不快感として扱われがちです。
しかし実際には、集中力の低下・体調不良・ミスの増加などを通じて、企業全体の業務パフォーマンスに影響を与える環境要因のひとつです。
本記事では、乾燥を単なる季節問題や個人対策としてではなく、
「働く力(生産性・健康・安全)」を左右する職場環境の課題として捉え、
その影響と最適化の考え方を整理します。
オフィスの乾燥が奪う「働く力」とは
集中力・判断力の低下
乾燥した環境では、目の乾きや喉の違和感によって無意識のストレスが増えます。
この小さなストレスの積み重ねが、集中時間の短縮や判断精度の低下につながります。
特に以下の業務では影響が顕著です。
- PC作業が中心の事務・管理部門
- 顧客対応や電話応対が多い部署
- 長時間のデスクワークを行う職種
体調不良・欠勤リスクの増加
乾燥した空気は、喉や鼻の粘膜を弱らせ、ウイルスや細菌への防御力を低下させます。
結果として、
- 風邪・喉の不調
- ドライアイ
- 体調不良による欠勤・業務パフォーマンス低下
といった間接的な業務ロスを生み出します。
ミス・クレームにつながる見落とされがちな影響
集中力や体調が万全でない状態では、
- 入力ミス
- 確認漏れ
- 応対品質の低下
が起こりやすくなります。
乾燥は「直接的なミスの原因」ではないものの、ヒューマンエラーの背景要因になり得る点は見逃せません。
なぜ職場は乾燥しやすいのか|環境要因の整理
空調による湿度低下
暖房・冷房を使用すると、室内の空気は乾燥しやすくなります。
特に以下の条件が重なると、湿度は急激に低下します。
- 外気が乾燥している
- 空調を長時間連続使用している
- 換気量が多い
水分発生源が少ないオフィス構造
住宅と比べ、オフィスは
- キッチンや浴室が少ない
- 観葉植物や水回りが限られる
といった構造的な理由から、自然に湿度が保たれにくい環境です。
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乾燥対策を「思いつき」で終わらせないために
多くの職場では、乾燥対策が
- 個人任せ
- 季節限定
- その場しのぎ
になりがちです。
しかし重要なのは、環境として適切な状態を維持できているかという視点です。
適切な湿度管理がもたらすメリット
職場環境として乾燥をコントロールできると、以下の効果が期待できます。
- 集中しやすい作業環境の維持
- 体調不良リスクの低減
- 従業員満足度の向上
- 安定した業務パフォーマンス
乾燥対策は「福利厚生」ではなく、生産性への投資と捉えることができます。
まずは“状態を知る”ことが最適化の第一歩
乾燥対策を進める前に重要なのは、
現在のオフィス環境がどうなっているかを把握することです。
- 室内の湿度はどの程度か
- エリアによるムラはないか
- 空調の影響を強く受ける席はどこか
こうした情報を把握することで、乾燥対策は「感覚」から「判断」に変わります。
具体的な乾燥対策を検討する前に
実践的な乾燥対策(加湿・水分補給・設備導入など)については、
すでに別記事で詳しく解説しています。
👉 オフィスで実践できる乾燥対策の具体例は、以下の記事をご覧ください。
オフィスの乾燥対策6選! よくある原因や乾燥によるリスクも解説
本記事では、
- なぜ乾燥が問題なのか
- どのように捉えるべきか
という考え方と判断軸を中心に解説しました。
総務向け|オフィス乾燥チェックリスト
※乾燥の定期確認・環境改善向けに基本的なチェックリスト項目を記載します。
一度、確認をしてみてください。
① 現状把握(まずは状態を知る)
□ オフィス内の湿度を数値で把握している
□ 測定は1か所だけでなく複数エリアで行っている
(窓際/エアコン直下/執務エリア中央 など)
□ 季節(冬・夏)や時間帯で湿度の変動を把握している
□ 「乾燥している気がする」ではなく数値で説明できる
▶ チェックが少ない場合
→ 乾燥対策以前に「管理できていない状態」
② 従業員への影響チェック(見えにくい不調)
□ 喉の違和感・咳・声枯れ(声がれ)の訴えが出ていないか
□ 目の乾き・ドライアイを訴える社員が増えていないか
□ 冬場・空調使用時に体調不良や欠勤が増えていないか
□ 「集中しづらい」「疲れやすい」という声が出ていないか
▶ ポイント
乾燥の影響はクレームとして表に出にくいため、
雑談レベルの声も、重要なサインになります。
③ 業務リスクの観点チェック
□ 入力ミス・確認漏れが増える時期と乾燥時期が重なっていないか
□ 電話・接客応対が多い部署で品質低下が起きていないか
□ 長時間PC作業の部署に負荷が集中していないか
▶ 乾燥は
「ミスの直接原因」ではなく「ミスを起きやすくする環境要因」
④ 環境・設備面のチェック
□ 空調を長時間連続で使用している
□ 換気量が多く、外気の影響を強く受けている
□ 水分発生源(給湯室・植物など)が少ない
□ 席の位置による環境差(暑い・寒い・乾燥)が大きい
▶ チェックが多い場合
→ 個人対策だけでは限界が出やすい
⑤ 乾燥対策の「管理レベル」チェック
□ 乾燥対策が個人任せになっている
□ 対策が季節限定・場当たり的になっている
□ 効果を測定・評価していない
□ 「やっている感」はあるが改善したか分からない
▶ ここが重要
対策の有無より、運用と評価ができているか
⑥ 改善検討の判断基準
以下に当てはまる場合、職場環境としての見直し対象です。
- 湿度を数値で把握していない
- 不調の声はあるが原因が特定できていない
- 業務効率やミスとの関連を検証できていない
- 総務として説明責任を果たしにくい
チェック結果の活かし方(総務視点)
- ✔ が少ない
→ 現状把握フェーズ(測定・可視化が最優先) - ✔ が中程度
→ 部分改善フェーズ(エリア別・部署別対応) - ✔ が多い
→ 環境設計フェーズ(設備・運用の再設計)
乾燥対策は
「何を導入するか」より「どう管理するか」で成果が変わります。
まとめ|乾燥対策は「働く環境」を整える取り組み
乾燥は目に見えにくく、後回しにされがちな課題です。
しかしその影響は、確実に「働く力」を削っています。
乾燥は個人の不快感ではなく職場全体の課題
生産性・健康・安全に影響する環境要因
状態把握 → 判断 → 対策という流れが重要
業務パフォーマンスを最大化するためにも、
乾燥を「放置しない環境管理」の一部として見直してみてはいかがでしょうか。