Water Topicsオフィスウォーター情報

SHARE
FacebookFacebook
TwitterTwitter
リンクをコピーリンクをコピー

ピュアウォーターと精製水の違いとは?メリット、デメリットもご紹介

ご家庭でウォーターサーバーを利用している方も多いかもしれませんが、ウォーターサーバーで利用できる水の中には「ピュアウォーター(RO水)」と「天然水」があることをご存じでしょうか?

天然水とは特定の水源から採水した地下水を原水とする水のことであり、ろ過や沈殿、加熱など最低限の殺菌処理を行った水です。一方、ピュアウォーター(RO水)とは、水分子以外の不純物をほぼ取り除いた水で、その安全性の高さから最近注目を集めています。実は、ピュアウォーター(RO水)とは精製水の種類のひとつ。精製水にはさまざまな種類があるのです。

本記事では、ピュアウォーターと精製水の違いや精製水の種類、それぞれの精製方法や特徴、主な用途やメリットについて詳しくご紹介します。

ピュアウォーターと精製水の違いとは

精製水とは、水道水に含まれるカルキ(塩素)やミネラル、微生物などの不純物を取り除いた純度の高い水の総称です。精製水にはピュアウォーター(RO水)をはじめ、蒸留水やイオン交換水などがあり、それぞれ不純物を取り除く方法が異なります。

精製水は、その不純物を取り除く方法を単独、もしくは複数使って不純物を減らした水全般のことを指します。精製水は医療や化粧品、塗料の希釈やバッテリー用など様々な用途に使われますが、さらに医療用と工業用(一般用)の2種類に分類されるのです。日本薬局方の基準を満たしているものを「医療用精製水」(第3類医薬品)、それ以外のものを「工業用精製水」と言い、医療用精製水は日本薬局方で定められた規定の方法で製造・管理しなければなりません。

ピュアウォーターだけではない!精製水の種類

精製水は主に以下の3つの種類に分けられます。

  • ピュアウォーター(RO水)
  • 蒸留水
  • イオン交換水

これらの3つは同じ精製水ですが、それぞれ精製方法が異なります。ここでは、ピュアウォーター(RO水)、蒸留水、イオン交換水それぞれの精製方法や特徴、主な用途などについて詳しく見ていきましょう。

ピュアウォーター(RO水)

ピュアウォーターとは、RO(逆浸透膜)フィルターを使って不純物を除去した純度の高い水のことで、「純水」や「RO水」とも呼ばれています。ROフィルターの目は0.0001㎛(マイクロメートル、1マイクロメートル=1ミリの1000分の1)と非常に細かく、特殊なろ過処理により分子レベルで不純物を徹底的に取り除き、水の分子を取り出すことが可能です。

ピュアウォーターはろ過時にミネラルも除去されるので、水の硬度はゼロに近く、癖がなくさっぱりとした味が特徴。ROフィルターを用いて精製すると、他の精製方法では除去が難しい発がん性物質や環境ホルモン、放射性物質などの有害な物質まで除去することが可能です。

RO(逆浸透膜)フィルターで除去できる主な不純物は、以下の通りです。

  • ダイオキシン、ヒ素、農薬類
  • 環境ホルモン、大腸菌
  • トリクロロエチレン
  • トリハロメタン(発がん性物質)
  • テトラクロロエチレン、ハロゲン化合物 など

もともとROフィルターは、1960年代に将来の水不足対策のためにアメリカで開発されたもの。現在、その不純物除去率の高さや品質の安定性などから注目を集めています。飲用水が不足している地域では海水を淡水化することで飲み水にすることができますし、国際宇宙ステーションでは飲み水を循環サイクルするために利用されているのです。

ピュアウォーターは以下のようなさまざまな用途で利用されています。

  • 飲用水や調理水
  • 美容・・・浸透性や洗浄性が高く、洗顔や化粧水の代わりとしても使えます
  • 掃除・・・洗浄性が高いため、窓掃除やグラス磨きなどに使用するときれいに仕上がります
  • 工業用水・・・メッキ、洗浄、その他の処理用
  • 農業用水・・・育苗、水耕栽培、有機農法
  • 医療用水・・・薬剤の希釈用水、器材の洗浄 など

最近ではROフィルターを用いた家庭用浄水器やウォーターサーバーなども増えてきており、天然水に比べて純度が高く値段もリーズナブルなことから活用する方が少なくありません。

蒸留水

蒸留水とは、水道水を沸騰させた際に出る水蒸気を冷やして液体に戻した水。この精製方法を「蒸留」と言い、水と不純物の沸点の違いを利用しています。蒸留水は水道水に含まれる電解質や不純物の一部、有機物を取り除くことが可能であり、微生物が繁殖しにくく腐りにくいのが特徴です。

ただし、蒸気を冷却する際に、蒸留管の内側に付着している不純物が混入する場合もあります。蒸留水は家庭でも作ることができるので、作り方をご紹介しましょう。

■蒸留水の作り方

  1. 寸胴鍋にお水を半分入れます
  2. 鍋にガラスボウルを入れます ※鍋底に金網や耐熱皿を敷き、ガラスボウルが鍋底につかないようにしましょう
  3. 鍋の中の水を沸騰させます
  4. 鍋の蓋を裏返して乗せ、その上に氷をたくさん乗せます(熱い水蒸気が冷たい蓋に当たって凝縮が起こります)
  5. 鍋の水を沸騰させ続け、冷却された水蒸気をボウルに溜めます ※ガラスボウル内の水(蒸留水)は沸騰させないようにしましょう
  6. 必要な量の水が溜まったら完成です ※蒸留水は冷ましてから保存しましょう

蒸留水の主な用途は、以下の通りです。

  • 試験分析用の水
  • 高純度薬品の希釈水
  • 食品機械の洗浄水
  • 医療器具の洗浄水
  • クーラント(エンジンを冷却するための液体)や不凍液(自動車のエンジンなど水冷機関の冷却水が凍結するのを防止するために冷却水に添加する液体)の希釈水
  • 水性ペンキの希釈水 など

蒸留水は家庭でも手軽に安価で作れますし、水道水やミネラルウォーターに比べて純度が高いので、精製水を取り入れてみたいという方は手作りしてみてもよいかもしれません。ただし、一般的な市販の蒸留水は飲用を想定して作られていないので、飲用水としてしようする際は自分で作るか、飲用目的で販売されている蒸留水を購入しましょう。

イオン交換水

イオン交換水とは、イオン交換樹脂というろ過材を使って不純物を取り除いた水のこと。これは、イオン交換樹脂がイオン成分を吸着する代わりに自らが持つイオンを放つという性質を利用したもので、水道水に含まれるイオン成分を取り除くことで純度の高い水に精製できます。

例えば、水道水に含まれるカルシウムやナトリウムなどの陽イオンを吸着し、代わりに水素イオン(H+)を排出。また、塩素や炭酸などの陰イオンを吸着し、代わりに水酸化物イオン(OH-)を排出します。これらの排出された水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)が結合し、イオンが取り除かれた純度の高い水(H₂O)になるというわけです。

イオン交換水の主な用途は、以下の通りです。

  • 飲用水・調理用水
  • 病院の点滴・注射剤
  • 半導体機器の実験
  • コンタクトレンズの洗浄水
  • 車のバッテリー液・洗車用水・・・バッテリー液には硫酸と純度の高いイオン交換水が用いられています
  • 精密機器の洗浄液

イオン交換水は一般家庭用の浄水機にも使われていますが、純度の高さから半導体製造分野や医療分野において中心的な役割を担っています。

シーンに合わせた様々なラインアップをご用意 ウォーターサービス

【種類別】精製水のメリット

精製水と一口に言ってもその種類は様々なので、どれを選んでよいか迷ってしまうのではないでしょうか。精製水には種類ごとに特徴があるため、用途にあった精製水を選ぶことが重要です。そのためにも、精製水の種類ごとのメリット・デメリットを理解しておきましょう。

ここからは、精製水と呼ばれる「ピュアウォーター」「蒸留水」「イオン交換水」のメリットについて詳しくご紹介しますので、選ぶ際の参考にしてみてください。

ピュアウォーターのメリット

ピュアウォーターのメリットは、以下の通りです。

■純度の高さ=安全性の高さ
ピュアウォーターはRO(逆浸透膜)フィルターという目の細かい特殊なフィルターでろ過するので、水(H₂O)以外をほとんど含みません。よって他の方法では除去できない放射性物質なども除去することができ、安全性が高いと言えるでしょう。

■料理が美味しくなる
ピュアウォーターは分子レベルで不純物を取り除いているため、味に雑味がなく、素材本来の味を引き出すことが可能です。お味噌汁や煮物などの調理にピュアウォーターを使えば素材の味が引き立ちますし、具材も柔らかく旨味が出て美味しくなります。また、お米をピュアウォーターで研ぎ、炊けば、浸透力の高さからお米がふっくらと炊き上がるのです。さらに、お茶やコーヒー、お酒を割る水としても相性がよいのでさまざまな場面で活用しやすい水だと言えるでしょう。最近では調理水として導入する飲食店も増えており、注目を集めています。

■身体への負担が少ない
内臓が未発達な赤ちゃんがミネラルを多く含む硬水をとると、消化吸収がうまくできず、体に負担がかかってしまいます。ピュアウォーターはミネラルを取り除いた軟水なので身体への負担が少なく、消化器官が弱い赤ちゃんへのミルクや離乳食作りにおすすめです。

■長期保存が可能
災害時やもしもの時のために水を備蓄している方も多いのではないでしょうか。ピュアウォーターは不純物がほとんど除去されているため、未開封であれば雑菌が増える心配もないので長期保存が可能。水の種類ごとの保存期間の目安は以下の通りです。

  • 水道水・・・常温で3日、冷蔵庫で10日程度
  • 天然水・・・賞味期限は6ヶ月程度
  • ピュアウォーター・・・最長で12ヶ月間

保存する際は、直射日光を避け、湿気の少ない場所に保管してください。また、開封すると雑菌が増える可能性がありますので、開封後はなるべく早く使用することが大切です。

蒸留水のメリット

蒸留水のメリットは、以下の通りです。

■安全性の高さ
日本の水道水は世界の中でも安全性が高いと言われていますが、殺菌を行うために塩素(カルキ)が使われています。水道水に含まれる濃度の塩素は人体には影響しないと言われていますが、できれば入っていない方がよいですし、塩素臭(カルキ臭)が気になる方もいるでしょう。また、水道管を通って各家庭に運ばれるのでその際に不純物や菌が含まれる可能性もあり、100%安全とは言えません。その点、蒸留水は水道水に残った不純物を取り除くことができるので安心です。

■手軽に作ることができる
上記でも紹介したように、蒸留水は簡単に自分で作れます。ピュアウォーターやイオン交換水を作るには専用のろ過機が必要ですが、蒸留水は蓋付きの鍋・ガラスボウル・金網もしくは耐熱皿、氷があれば自宅でも作ることが可能です。まずは精製水を生活に取り入れてみたいという方は購入する前に自分で作ってみるのもよいかもしれません。

■幅広い用途に使える
蒸留水は様々な用途に使えます。

 スキンケア、ヘアケア・・・蒸留水にはタンパク質にダメージを与える可能性がある塩素が含まれていないので、肌にダメージを与えずに潤すことができます。また、洗髪後にイオン交換水をスプレーすれば髪に付着している塩素を薄めることができるので、ダメージを抑えられるでしょう。
 アロマスプレー・・・アロマスプレーを作る際の希釈用に使えば精油の香りを邪魔することなく作れます。また、蒸留水には塩素も含まれていないので、赤ちゃんや子どもの肌に使う場合も安心です。
 汚れ落とし・・・蒸留水には塩素が含まれていないので、素材に負担をかけずに汚れを落とせます。

蒸留水は不純物が取り除かれているとはいえ、菌などが少しでも入ると繁殖してしまう可能性があります。蒸留水を購入し開封した場合や、自分で作ったときはなるべく早く使いきりましょう。とくに飲用水や調理水、スキンケアやヘアケアなど直接身体に影響がある使用用途の場合は注意が必要です。

イオン交換水のメリット

イオン交換水のメリットは、以下の通りです。

■純度が高い
イオン交換水はカルシウムやマグネシウムなどの陽イオン、塩酸などの陰イオンを完全に除去できます。半導体の製造工場などで実験を行う際、微量でもカルシウムやマグネシウム、塩酸などが残っていると正確な結果を得ることができません。また、不純物が残っている水を使用することで機器に不純物が付着し、機能が低下する恐れがあります。

他にも、不純物が残っている水では人体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、病院の点滴剤や注射剤に使われる水も高純度のイオン交換水です。そのため、半導体の製造工場や病院の点滴剤・注射剤などで使用する水は、完全に不純物が取り除かれているイオン交換水でなければならないのです。

■アカントアメーバの除去
イオン交換水は、アカントアメーバ角膜炎という角膜疾患を引き起こすアカントアメーバも除去できます。アカントアメーバ角膜炎に感染する人の多くがコンタクト使用者で、コンタクトの不適切なケアが原因。アカントアメーバはどこにでもいる原生生物で、もちろん水道水にもいますが、イオン交換樹脂でろ過すればアカントアメーバは除去できます。コンタクトの洗浄液にもイオン交換水は使用されており、十分なこすり洗いとすすぎによって予防が可能です。

■水垢が残らない
水道水には水垢の原因となるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれています。一方、イオン交換水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が残っていないので、洗車の際にイオン交換水を使うことで水垢が残りません。また、乾拭きをしなくても大丈夫なので時短にもつながります。

まとめ

ピュアウォーター(RO水)は精製水の種類のひとつで、その安全性や純度の高さから飲み水としてだけでなく様々な用途に用いられています。精製水には他にも蒸留水やイオン交換水などもありますが、雑菌やウィルス、放射性物質まで分子レベルで取り除くことができるのはピュアウォーター(RO水)だけ。飲用水や調理水としてはもちろん、洗浄性や浸透性も高いのでスキンケアやヘアケア、掃除など幅広く活用できます。ミネラルも取り除かれているので、内臓が未発達な赤ちゃんにも負担が少なく安心して利用できるでしょう。

ピュアウォーター(RO水)は薬局やスーパーなどで購入することもできますが、重たいので持って帰るのも大変ですし、雑菌が繁殖する可能性も否定できません。ピュアウォーター(RO水)の購入をお考えなら、安全性の高さや購入の手軽さからもウォーターサーバーの利用をおすすめします。

シーンに合わせた様々なラインアップをご用意 ウォーターサービス

お問い合わせはこちら

ページトップへ