マンションの共用部は、すべての住民が普段から利用する大切なスペースです。エントランスや廊下、エレベーターなど、快適な環境が保たれていないと衛生面だけでなく資産価値や入居者満足度にも大きく影響します。
共用部を定期的に清掃することで、建物の老朽化を抑え、将来的な修繕費を節約できるのも大きなメリットです。一方で、自主清掃と専門業者への依頼には、それぞれに利点や注意点があるため、理解しておく必要があります。
この記事では、マンション共用部清掃の重要性や具体的な清掃内容、費用負担や業者選びのポイントなどをここで一挙にまとめています。知識を身につけ、住む人みんなが気持ちよく過ごせる環境づくりを目指しましょう。
マンション共用部清掃が重要な理由
清掃を行う目的をしっかり理解することで、管理組合やオーナーが正しい方針を打ち立てやすくなります。
マンション共用部の清潔さは、建物全体の雰囲気や入居者の暮らしやすさに直接影響します。特に、エントランスやエレベーターといった人の目に触れる機会が多い箇所の清掃レベルは不動産のイメージを大きく左右します。こうした管理を怠ると、わずか数年で建物の価値が下がってしまうため、日常からのケアが極めて重要です。
また、共用部を綺麗に保つことは住民全員が気持ちよく暮らせるだけでなく、防犯効果にもつながります。ゴミの放置や汚れが溜まると、トラブルのリスクが高まる場合がありますが、清潔さを維持することで建物全体の安心感が高まるでしょう。
建物の資産価値とイメージを維持する
中古マンションであっても、共用部がきれいに保たれていると第一印象が良くなり、資産価値を損なわずに長く保ちやすくなります。共用部が乱雑になっていると、買い手や借り手の評価が下がり、結果的に空室率が高まるリスクがあるのです。定期的にプロの清掃を入れることで、入居者だけでなく外部からも好印象を与えられ、マンション全体のブランドイメージをプラスに導きます。
衛生環境を保ち入居者満足度を高める
ゴミやホコリ、カビなどの汚れを放置していると、虫の発生や異臭につながり、住民のストレスになるケースが少なくありません。定期的な共用部清掃はこれらの問題を未然に防ぎ、衛生的で快適に暮らせる環境整備をサポートします。さらに、綺麗な環境が維持されているマンションは入居率も上がりやすく、住民同士のコミュニケーションも活発になる傾向があるのです。
老朽化防止と修繕費用の抑制
定期清掃やメンテナンスは、表面の汚れを取り除くことにとどまらず、建物の劣化やトラブルを早期に発見するきっかけにもなります。汚れや傷が蓄積すると、修繕箇所が増え大規模な補修が必要になる可能性がありますが、小さな劣化のうちに対処すれば費用や手間を最小限に抑えられます。こうした予防的な清掃活動が、長期的に見てマンション運用コストの安定化に貢献するのです。
共用部清掃の主な内容とタイミング
日常的な軽清掃から定期的な専門清掃まで、タイミングを意識した計画が重要です。
マンション共用部はエントランスや廊下、階段、エレベーターといった場所ごとに汚れやすさが違うため、清掃方法や頻度をしっかりと把握しておく必要があります。掃除の種類には、日常清掃や定期清掃、特別清掃があり、それぞれの目的に合わせて行うことが建物を綺麗に保つコツです。
共用部清掃を計画する際は、住民の導線や季節による汚れの違いにも注意することがポイントです。たとえば、花粉や黄砂が多い時期には窓や扉の汚れが目立ちやすいため、定期清掃の時期をやや早めるといった柔軟な対応も有効といえます。
日常清掃(巡回清掃)のポイント
日常清掃は、週に数回または毎日の頻度で行われる簡易的な清掃のことです。具体的には床や玄関マットの掃き掃除、ゴミやチラシの回収、エレベーターボタン周りの拭き取りなどが挙げられます。これらの巡回清掃をこまめに実施することで、日々の汚れの蓄積を抑え、快適な環境を維持しやすくなります。
定期清掃の頻度と内容
定期清掃は、専門的な洗浄機材や清掃薬剤を使った本格的なクリーニング作業を指します。月に1回や数カ月に1回など、建物の規模や必要性に合わせて計画されるケースが多く、床や壁、窓ガラスの洗浄、カビやコケの除去などの作業が含まれます。こうした定期的な徹底清掃が、建物の美観と耐久性を支える重要な役割を果たすのです。定期清掃と日常清掃の違いについてもう少し知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
https://www.daiohs.co.jp/clean/airclean/article/archives/2806/
スポット清掃(特別清掃)で徹底メンテナンス
年に数回実施される特別清掃は、高所作業や排水管洗浄など、専門的な技術と設備が必要となる作業を含みます。日常や定期清掃では手が届きにくい場所に施されるため、建物全体を完全にカバーするうえで欠かせない対策です。特に排水溝や屋上設備などは放置すると深刻なトラブルに発展することもあるので、余裕を持った計画が重要です。
どこが費用負担する?清掃費用の仕組み
費用負担の方法を理解することで、管理組合やオーナー側の検討をスムーズに進められます。
マンション共用部の清掃費用は、通常は管理費や修繕積立金などから支払われることが多いです。区分所有者が毎月支払う管理費の中に清掃費用が含まれるケースもあれば、別途項目として設定されている場合もあります。このあたりの取り決めは管理規約に基づいており、合意形成が必要になる場合があります。
賃貸マンションの場合は、オーナーや管理会社が費用を負担し、その分を家賃や共益費として入居者に反映するケースが一般的です。入居者の視点からすると、清掃の質が高いマンションであれば多少のコスト増でも納得しやすいため、リスクヘッジにもなります。
管理費からの負担と区分所有者の役割
管理費には、日常清掃や定期清掃の費用のほか、清掃アイテムの購入費用や清掃員の人件費が含まれることがあります。区分所有者にとっては毎月の負担ではありますが、マンション全体の資産価値を維持するための必要経費と言えます。清掃費用をどのように再配分するかは管理組合で議論されるため、透明性の高い会計報告や見積もりの提示が重要になるでしょう。
賃貸の場合、オーナーと管理会社の対応
主に賃貸物件では、オーナーや管理会社が清掃の手配を行う形が一般的です。管理費や共益費に清掃コストを盛り込み、定期的なメンテナンスを実施することにより、入居者の満足度を高め、物件の空室リスクを低減させるメリットがあります。ただし、管理費を上げすぎると競争力を失うおそれもあるため、バランスを考慮した取り組みが重要です。
共用部清掃の費用相場と料金体系
清掃費用は建物の規模や利用頻度によって大きく異なるため、複数社からの見積もり比較が大切です。
マンションの共用部清掃費用は、階数や戸数、エレベーターの有無、清掃範囲の広さなどによって変動します。小規模なマンションの場合は毎月1万円台から数万円、規模が大きい物件では数十万円単位まで差があります。具体的な金額を把握するには、清掃業者からの詳細な見積もりが必要となるでしょう。
さらに、日常清掃、定期清掃、特別清掃といった清掃プログラムごとに費用計算が異なる場合があります。組み合わせプランを用意している業者もあるため、長期的なコストパフォーマンスを検討しながら最適なプランを選ぶと良いでしょう。
建物規模・種類別の料金目安
一般的には、戸数が数十程度のマンションだと月数万円程度で日常清掃を賄うケースが多いです。一方で、大型のタワーマンションなどでは広い共用スペースや複数のエレベーターなど管理負担が大きく、清掃費用も上昇しやすくなります。建物のタイプや設備状況を踏まえ、細かいスペック情報を業者に伝えたうえで見積もりを取得することが大切です。
清掃内容別の料金相場(日常・定期・特別)
日常清掃では空き時間や巡回型の作業が多く、月額制で1~5万円と幅があるケースもあります。定期清掃の単価は作業範囲によって大きく変わり、床の洗浄や窓ガラスの清掃など専門作業が増えるほど費用がかさむ傾向です。また特別清掃は高所作業や排水管洗浄などの特殊作業が含まれるため、単発でも数万円から数十万円かかることも珍しくありません。「清掃委託の費用相場」についてはこちらの記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
https://www.daiohs.co.jp/clean/airclean/article/archives/2823/
コストを抑える方法と注意点
費用を抑えるには、複数社の見積もりを比較検討しながら、作業内容や頻度を最適化することが有効です。ただし、安さばかりを追求した結果、清掃の質が低下すると建物の劣化が進み、結局は後で大きな修繕費がかかる可能性があります。コストと品質のバランスを踏まえ、長期視点で検討することが肝心です。
清掃業者の正しい選び方
依頼先によって清掃の仕上がりやアフターフォローに差が出るため、情報収集を抜かりなく行いましょう。
清掃業者を選ぶ際は、見積もりの内訳やサービス内容、トラブル時の対応など多角的に評価することが大切です。費用の金額だけを見るのではなく、ダメージ補償や保険加入の有無、スタッフの教育体制などもチェックすると、後悔のない選択につながりやすくなります。
また、清掃実績や口コミを確認するのも有効です。特に、マンションタイプや規模が似通った物件の清掃実績があれば、具体的なイメージをつかみやすくなるでしょう。
見積もり内容とサービス範囲のチェック
見積もり書には、清掃対象となる部位や作業回数、使用する資機材の説明が細かく記載されているかを確認します。例えば、エレベーター内の壁面清掃や階段の手すり拭きが含まれているのか、ゴミ置き場の清掃頻度はどの程度かなど、具体的にチェックすることで不明瞭な費用を防ぐことができます。
保険加入・実績・対応力の確認
万が一、清掃中に設備や住民の私物を破損してしまった場合、保険に加入していれば損害を適切にカバーできるため安心です。また、同規模のマンションでの実績が豊富な業者ほど、適切なノウハウを持ち合わせていると考えられます。さらに、問い合わせ時のレスポンスや担当者の対応力なども、長期的なお付き合いにおいて重要なポイントです。
トラブル時の保証や報告体制
清掃後に作業の仕上がりに不備があった場合の再作業保証や、定期的なレポート提出の有無なども確認しておきましょう。誰に連絡すればいいのか、クレーム対応はどのように行われるのかを事前に把握しておけば、予期せぬトラブル発生時にもスムーズに対処しやすくなります。
自主清掃と業者依頼のメリット・デメリット
コスト重視か、仕上がり重視か、マンションの状況改善にどちらが向いているかを判断する材料にしましょう。
共用部清掃は、自主的に住民や管理人が行う方法と、専門業者に委託する方法に大別されます。自主清掃は人件費を抑えられ、住民同士の連帯感が生まれるメリットがある反面、専門知識や道具が必要な箇所に十分対応できない場合があります。
一方で、プロの業者に依頼すれば、短時間かつ高品質な仕上がりを得ることができるため、建物全体の印象を長く向上させる効果が期待できます。費用はかかりますが、資産価値維持や入居率アップを考慮すると、長期的には損をしにくい選択肢といえます。
自主清掃の特徴と注意点
住民理事会や管理組合のメンバーが中心となって実施する自主清掃は、コスト面では大きなメリットがあります。ゴミ拾いや簡単なモップがけなど、誰にでも対応できる作業であれば問題ありませんが、床鳴りや水漏れなど構造的な問題へは対応しづらいのが実情です。また、参加者の負担が偏ることでトラブルに発展する場合もあるため、作業範囲や責任分担を明確にしておく必要があります。
業者依頼による効果と費用対効果
専門業者に任せれば、エレベーターや階段など、汚れが蓄積しがちな場所も的確な方法でクリーニングできます。汚れやすい箇所を重点的にケアすることで、入居者へのイメージアップやトラブルの早期発見が期待でき、結果的に修繕費の削減や資産価値の維持につながるでしょう。最初の出費は大きく感じるかもしれませんが、長期的に見れば投資効果が高いのが特徴です。
ダイオーズカバーオールの特徴
首都圏・札幌を中心にビル・アパート・マンションの共用部清掃サービスを展開している「ダイオーズカバーオール」。建物の資産価値を維持する、または入居を予定・検討する方にとってきれいなイメージをもってもらうことは先の述べた通りとても重要です。そのためにはプロ品質の清掃が求められますが、ダイオーズで厳しい研修を経て、審査に合格した清掃のプロが定期巡回いたします。プロの目線から見た汚れが溜まりやすい箇所、あるいは入居者の目線から見た汚れが気になるポイントなどを中心に、建物のロケーションや状態に合わせて清掃メニューを構成し、ご提案・お見積もりいたします。状況によっては、清掃前後の状況報告として写真を添えた報告書(ログブック)をもって清掃完了の報告とします。マンションの共用部清掃で実績豊富な「ダイオーズカバーオール」についてはこちらです。
共用部別の清掃ポイント
共用部は使われ方や構造が異なるため、エリアごとに適切な清掃方法を考える必要があります。
同じマンション内でもエントランスや廊下、ゴミ置き場など、利用頻度や汚れの性質に大きな違いがあります。たとえば、エントランスは人の出入りが激しいため、こまめな拭き掃除が欠かせません。駐輪場や駐車場は砂や泥が溜まりやすく、風の吹き込みでゴミが集まりやすいので注意が必要です。
エントランス・エレベーター・階段
エントランスは来訪者が最初に目にする場所なので、床や壁の拭き掃除を徹底して清潔感を保つことが求められます。エレベーターはボタン周りなど手が触れる部分を頻繁に消毒することが大切です。階段は人の移動が多く転倒事故にもつながりやすいため、汚れが溜まったまま放置せず、段差の清掃と手すりの拭き取りを行い、安全管理を徹底しましょう。
廊下・駐輪場・駐車場・ゴミ置き場
廊下は共用の歩行スペースであり、長く延びた構造の場合はホコリやゴミが溜まりやすく、定期的な掃き掃除が必要です。駐輪場や駐車場では降雨後の泥や落ち葉等の清掃が欠かせず、排水溝が詰まっていると浸水被害につながる恐れもあります。ゴミ置き場は雑菌やニオイの発生源になりやすいので、消臭対策や定期的な洗浄を徹底して衛生的な状態を保ちましょう。
その他の特別ケアが必要な箇所
屋上や排水管、給水設備など、普段はあまり注意が向かない箇所も定期的な点検・清掃が必要です。排水管の詰まりや屋上の防水シートの劣化は、放置すると大規模な漏水やカビ被害を引き起こし、修繕に多大な費用がかかる可能性があります。見えにくい部分こそプロの業者に依頼して、早めのメンテナンスを行うことが劣化防止の鍵になります。
まとめ:マンション共用部清掃で快適な住環境を長く保とう
清潔な共用部を保つことは資産価値から安全性、住民同士のコミュニケーション向上まで多岐にわたるメリットがあります。
マンション全体の印象を決めるのは、実は部屋の内部だけではなく共用部でもあります。日常的に巡回清掃を行い、定期的にプロの業者に依頼して建物の老朽化やトラブルを未然に防ぐことが理想的です。管理費や費用負担のしくみ、清掃内容をしっかり把握し、最適な清掃プランを立てましょう。
清掃業者の選び方や費用相場を正しく理解することで、品質とコストのバランスをとりやすくなります。マンションに住む人が快適で安心して過ごせる環境を作るためにも、清掃は欠かせない投資です。これを機にマンション共用部清掃の重要性を改めて認識し、長期的な視点で取り組んでみてはいかがでしょうか。