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私たちの生活が空気に及ぼす影響|大気汚染による悪影響や対策方法を知って将来の地球を考えよう

私たちが生活を送る中では、さまざまな物質が生まれています。中には大気へ悪影響を及ぼす物質があることも事実です。生活の利便性が向上する一方、私たち人間が知っておくべきことは多くあります。

この記事では、普段の生活で排出している物質の中で空気を汚す原因となっているものや、大気汚染による悪影響、対策方法について紹介します。

私たちの生活は空気を汚している

大気汚染の原因は、私たち人間の生活の中にあります。身近なところでは、乗りものの利用が挙げられます。自動車の普及によって、物流はもちろん、個人の移動においても自動車が用いられるのは当たり前になりました。

自動車を利用するときは、少なからず大気汚染物質が発生しています。そのため、自動車の利用増加に比例して大気の汚染が進んでしまうのです。また家庭で電気を消費する際も、大気汚染物質は少なからず発生しています。

もちろん、企業による製品生産も大気汚染の原因として挙げられるでしょう。特に工場での大量生産の際は、燃料の消費などを理由に多くの大気汚染物質が排出されています。

しかしながら、自動車や電化製品の利用・工場による製品の大量生産のいずれも、今や人間の生活にとって必要不可欠な活動といえるでしょう。このため私たち人間は、地球の環境を守るために大気汚染についての対策を考えなければならない存在だといえるのではないでしょうか。

私たちが排出している空気を汚す原因となる物質

ここでは、私たちの生活の中で排出している可能性のある大気汚染物質について解説します。まずは原因となる物質について理解を深めましょう。

【空気を汚す原因となる物質】

  • フロン
  • 二酸化炭素
  • 炭化水素
  • 粒子状物質
  • 硫黄酸化物
  • 窒素酸化物

フロン

フロンは冷蔵庫やエアコンの冷媒として使われている化学物質です。液体から気体に変わる際に熱を奪い、冷却する(温度を下げる)働きがあることから使用されています。

フロンが開発されたのは1928年とされています。当時、冷蔵庫はアンモニアを使用していましたが、扱いが難しいため代わりとなる物質が開発されたのです。フロンは自然界には存在しない物質であり、「分解しにくい」「燃えにくい」そして「人体への影響がない」といった特徴が。

しかし、フロンは環境へ悪影響を与えてしまう物質。フロンを適切に処理しなかった場合、10年以上の時間をかけて上空へ上昇し、やがてオゾン層に到達、破壊します。オゾン層は、害のある紫外線を遮る性質を持つため、オゾン層の破壊は地球へ有害な紫外線が降り注ぐことを意味します。

二酸化炭素

二酸化炭素とは、「炭酸ガス」とも呼ばれる物質です。基本的には無色・無臭であり、条件を満たすと固体(ドライアイス)となります。

二酸化炭素には「赤外線を吸収し、再び放出する性質」があります。この性質によって、地球から放出された熱は大気に吸収され、再度地上へ戻ってきます。このような効果を「温室効果」と呼び、二酸化炭素は温室効果を持つ気体なのです。

温室効果そのものは、悪いものではありません。しかし、近年は石炭や石油を大量に消費していることにより、二酸化炭素が大量に発生しています。二酸化炭素が過剰に発生することは、温室効果ガスの過剰発生を意味します。そのため、地球の平均気温は少しずつ上昇しており、いわゆる地球温暖化の原因となっているのです。

炭化水素

炭化水素とは、ハイドロカーボンと呼ばれる水素と炭素の化合物。プラスチック製のものや塗料の原料であり、ガソリンや軽油は複数の炭化水素の混合物です。そのため炭化水素は、化学工場やガソリンスタンドなどの貯蔵タンクから発生したり、自動車の排出ガスに含まれていたりします。

炭化水素という言葉を聞きなれない人も多いと思いますが、私たちの身の回りには炭化水素が関係したものが多くあるといえます。しかし、炭化水素も大気汚染の原因になり得る物質です。

加えて、工場などから排出された炭化水素は、窒素酸化物・紫外線と化学反応を起こし、光化学スモッグを発生させます。これは人体に悪影響を及ぼします。光化学スモッグによって、喉の痛みや目がちかちかすることもしばしば。炭化水素は、空気にも人間にも悪影響を及ぼす可能性がある物質といえるのです。

粒子状物質

粒子状物質とは、固体及び液体の粒のことです。工場などから排出される煤塵(ばいじん)や、ものの粉砕などによって発生する粉じん、ディーゼル車の排出ガスに含まれる黒煙などが、それに当たります。いくつかの化合物から成り立っており、人間の体内へ入ってしまった場合、体調不良を引き起こす場合も。

粒子が大きいものは肺や心臓、その他の呼吸器へ入り込む可能性があり、炎症や喘息、気管支炎といった症状の原因になるでしょう。粒子が小さいもの(後述するPM2.5など)は、血液中へ入り込むケースもあり得るようで、呼吸器以外の臓器へ悪影響を及ぼすことが考えられています。昨今、粒子状物質による大気汚染・環境問題はPM2.5が主です。こちらは当コラムの後半にて解説します。

硫黄酸化物

硫黄酸化物とは、石油や石炭などの硫黄分を含んでいる化石燃料が燃える際に発生する物質です。日本の硫黄酸化物による大気汚染は、高度成長期に一気に進みました。のちに規制がかかるようになり、空気中の濃度を減少させることに成功しています。

大気中の硫黄酸化物は硫酸へと変化し、これが酸性雨の原因となっています。酸性雨の問題は現代にも残っており、規制により濃度が減少しているとはいえ、硫黄酸化物による大気汚染が完全に解消されたわけではありません。

硫黄酸化物による汚染の解消のためには、燃料から硫黄分を取り除くことが有効。この技術は燃料脱硫と呼ばれています。酸性雨の詳しい問題点については、後述します。

窒素酸化物

窒素酸化物とは、石油などを燃焼・合成・分解の処理を行う過程で必ず発生する物質のこと。燃焼温度に比例して、多くの量が発生します。主な窒素酸化物として、一酸化窒素や二酸化窒素が挙げられます。

窒素酸化物は特定の条件下で炭化水素と化学反応を起こし、光化学オキシダントを生成することが特徴。これは光化学スモッグの原因ともなり、人体へ悪影響を及ぼします。例えば、二酸化窒素は深部の肺胞に到達することがあり、呼吸器系の炎症の原因にも。

大気汚染に関しては、酸性雨の原因となり得ます。そのため、工場などは地域別に総量規制がかかっていたり、自動車は排出ガス規制が設定されていたりいるのです。

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大気汚染が引き起こす環境問題

ここでは、大気汚染によって発生する環境問題について解説します。大気汚染物質への理解とともに、地球が直面している課題について確認しましょう。

【大気汚染が引き起こす環境問題】

  • 酸性雨
  • 光化学スモッグ
  • PM2.5
  • 黄砂
  • オゾン層の破壊
  • 地球温暖化

酸性雨

酸性雨とは、酸性物質(二酸化硫黄や窒素酸化物など)が化学反応により硫酸や硝酸へと変化・溶け込み、雨や雪などが通常よりも強い酸性を示す現象のことです。酸性雨は、河川や湖沼、土壌や生態系に悪影響を与えます。

さらに、自然だけでなくコンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりします。人工物の場合、特に文化財への被害が懸念されるでしょう。

酸性雨は、原因物質が放出された場所から数千km以上離れた場所まで運ばれることもあるようです。そのため、酸性雨への対応は、国境を越えて取り組まなければならない課題といえます。

光化学スモッグ

光化学スモッグとは、炭化水素や窒素酸化物が大気中で紫外線と反応を起こし、生成された有害なスモッグです。炭化水素や窒素酸化物は、排気ガスや工場の排煙などに含まれており、次のような気候・状態では特に注意が必要とされています。

  • 日差しが強い
  • 風が弱い
  • 気温が高い

これらの条件がそろっている状況では、スモッグが滞留します。これにより、「もや」がかかったような視界になるため、遠くの建物が霞んで見える際は、スモッグが発生している可能性があるでしょう。

環境被害では、植物が枯れることが多いようです。それ以上に人体への影響・健康被害の方が著しく、スモッグ注意報が出ている場合、必要以上の外出は避けることをおすすめします。

PM2.5

PM2.5とは、2.5μm以下の大きさで、かつ粒子状の汚染物質のことです。厳密には、特定の物質のみを指すのではなく、粒子の単位のひとつといえます。PM2.5は、工場の焼却炉や自動車、土壌、火山灰などが発生源と考えられています。

このPM2.5は微小粒子のため、吸入してしまうと肺の奥深くまで入り込みます。喘息や気管支炎などに影響を及ぼしたり、肺がんのリスクを高めたりすることもあるようです。吸入を防ぐためには、注意報などを確認するほか、飛散量が多い日の外出を避けるとよいでしょう。

黄砂

黄砂とは、主に東アジアの砂漠地帯より砂塵が吹き上げられ、風によって運ばれ降下する現象を指します。国境を跨ぐことも多々あり、日本においては春に多く見られ、場合によっては空が黄色く見えてしまうことも。

黄砂は、浮遊する際にさまざまな物質を取り込んでいると考えられており、結果的に有害物質になってしまうとされているのです。少量であれば問題はないとされていますが、近年はアジアで進む砂漠化の影響で黄砂の量は増えています。

結果、有害物質を含んだ黄砂が大量に飛来することになり、吸入してしまうと呼吸器系を中心に体調に支障をきたすでしょう。

また農作物や河川へ降下した場合も、悪影響があるとされています。河川の場合、プランクトンの異常発生につながるため、問題は深刻です。

オゾン層の破壊

オゾン層とは、地上から約10~50km上空の成層圏にある、オゾンが多く存在する層のことを指します。太陽光が含有する有害な紫外線を吸収する性質があり、地球上の生物を守る役目を担っている存在。

しかしオゾン層は人によって作られた科学物質には、あまり強くありません。例えばエアコンなどに使用される冷却媒体であるフロンは、オゾン層を破壊します。これにより、地球の一部地域ではオゾン層が薄くなっており、この部分を「オゾンホール」と呼ばれています。

オゾン層が薄い地域では、特に有害物質を含む紫外線が多く降り注いでいます。地球で生活をする生物にとっては由々しき問題といえるでしょう。

地球温暖化

地球温暖化とは、主に人間の活動によって「温室効果ガス」が大気中に放出され、地球全体の平均気温が上昇している現象のこと。温室効果ガスそのものが悪いのではなく、二酸化炭素をはじめとした物質が過剰に発生していることが問題とされています。

石油や石炭などの化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素が、温暖化の大きな原因といえるでしょう。

大気汚染は人へも悪影響を及ぼす

これまで紹介した通り、大気汚染による悪影響は環境だけでなく、人間にも及びます。光化学スモッグや黄砂が発生・飛来した場合は活動に制限がかかったり、呼吸器系の疾患を中心に体調を崩したりすることも考えられるでしょう。

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私たちが空気を汚さないためにできること

それでは、私たち人間が空気を汚染しないためには何ができるのでしょうか。ここでは、空気を汚さないためにできることを紹介します。

【私たちが空気を汚さないためにできること】

  • 省エネを心がける
  • 徒歩や自転車を積極的に利用する
  • エコドライブを心がける
  • 遠出は交通機関を利用する
  • ゴミを減らす
  • VOC対策をする

省エネを心がける

省エネとは、エネルギーを効率よく使用し、エネルギー資源が枯渇することを防止することを指します。エネルギー効率がよくなることは、使用電力量を抑えることにもつながります。ひいては発電時の大気汚染物質の排出量を減らすことが、可能です。

まずは、家庭内にて以下のようなことを心がけてはいかがでしょうか。

  • 冷房の設定温度は28℃、暖房は20℃を目安にする
  • LED電球を使用する
  • 冷蔵庫に食材を詰め込まない
  • 洗濯物は可能な限りまとめて洗う

徒歩や自転車を積極的に利用する

大気汚染は、自動車による排気ガスが原因となっている場合があります。そのため、可能な範囲で自動車の使用を控えることで、排気ガスの量を減らすことが可能。

エコドライブを心がける

通勤手段や買い物など、車が必要な人もいるでしょう。その場合はエコドライブ、すなわち燃費のよい運転を心がけることで大気汚染の抑制に貢献できます。エコドライブのコツとして、次のようなことを実践してみることをおすすめします。

  • 急発進、急停止をしない(アクセルをふんわりと踏む)
  • 走行速度を一定に保つ
  • エアコンの使用は必要最低限にする

遠出は交通機関を利用する

旅行など遠出の場合は、公共交通機関を利用しましょう。一人あたりが排出する排気ガスの量を抑えることが可能に。ただし、交通機関の利用料が経済的に大きな負担となる場合は、車の利用もやむを得ない場合もあるでしょう。

ゴミを減らす

ゴミを減らすことは、焼却に要する燃料の消費量や発生する有害物質の発生を抑制することにつながるといえます。ゴミを減らすには次の点を意識していましょう。

  • 食べ残しを減らす
  • マイバッグを使用する
  • 使い捨てのものは使用しない

VOC対策をする

まず、VOCとはVolatile Organic Compoundsの略称であり、大気中で気体になる有機化合物「揮発性有機化合物」のことです。一般に塗装や建設工事、印刷、機械の洗浄、自動車への給油などの際に排出されます。

VOC対策とはこの有機化合物の排出を抑制することで、大気中のVOC濃度の低減に取り組むことです。

まとめ

この記事では、私たち人間の生活によって生じる汚染物質が大気に与える影響や特徴などを紹介しました。いずれも技術の進歩による悪い副産物だということができ、それを使う人間には大気汚染を抑制する義務があるといえるのではないでしょうか。まずは汚染物質や環境問題へ理解を深め、身近なところから抑制に貢献してみましょう。

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